理学療法士が伝授│ファーストシューズの選び方・履かせ方

「10歩くらい歩けるようになったけど、靴はいつ買えばいい?」

「お店に行くと種類が多すぎて、何を基準に選べばいいかわからない」

「デザインだけで選んで、足の発達に悪影響がないか心配」

お子さんが歩き始めた喜びと同時に、こんな悩みを感じていませんか?

ファーストシューズは、お子さんの足の形を作り、将来の姿勢や歩き方に関係する大切な道具です。
実は、子どもの足の骨はまだ完成しておらず、間違った靴選びが続くと、足のアーチや歩き方のクセに影響を与えることがあります。

この記事では、理学療法士として発達障害の領域に10年以上携わった経験をもとに、「失敗しない靴選び」と、意外と知られていない「正しい履かせ方」について紹介したいと思います。

目次

『ファーストシューズ選び』が大切な理由

赤ちゃんの足の骨は『グミのように柔らかい軟骨』でできているため、ファーストシューズ選びは非常に大切です。

靴の役割

子どもの足の骨(軟骨)が完全に『骨(骨組織)』として固まるのは、18歳頃と言われています。特に歩き始めの時期は、まだ骨の多くが軟骨の状態です。

そのため、子どもにとって靴は、外を歩くときに保護目的で履くだけではなく、正しい足の形を作ってくれる道具としての機能もあるのです。

柔らかい足に対し、サイズの合わない靴や支えのない靴を履かせ続けると、骨が歪んだ形で成長してしまいます(外反母趾や扁平足の原因)。

正しい足の形に育てるために、その子の足に合った靴を選んであげましょう👟

土踏まず(アーチ)を作る

子どもはみんな偏平足です。歩行の衝撃を吸収する土踏まずは、『足の裏の筋肉や靭帯』が正しく歩くことによって鍛えられ、骨を引き上げることによって作られます。
そのアーチはだいたい6~8歳頃にほぼ完成すると言われています。

アーチを作るための『靴の役割』

ここで押さえておきたいポイントとして、靴の役割はアーチを直接作るのではなく、アーチを自ら作るための『環境を整える』ことです。

  1. 足がつぶれてしまうのを防ぐ
    子どもの柔らかい足は、体重がかかると踵(かかと)が内側にクニャッと倒れやすく、アーチが潰れてしまいやすいです。そのため靴の硬い踵部分が『壁』となって、踵をまっすぐに支えることで、アーチの潰れを回避してくれます。
  2. コンクリートの衝撃を和らげ、たくさん歩けるようにする
    アーチはたくさん歩き、足の裏の筋肉が鍛えられることによって形成されます。そのため靴のクッション性が硬い地面の衝撃を吸収して、痛がらずにたくさん歩けるようにしてくれるのです。

正しい靴の選び方

正しい靴の選び方で重要なのは、以下の3つです。

かかとの硬さ(ヒールカウンター)

ヒールカウンターが柔らかいと、扁平足になるリスクが高まってしまいます。
靴のかかと部分を指で押しても、潰れないくらい硬いものを選びましょう。

このかかとの適度な硬さが靴選びにおいて、最も重要です。

マジックベルト

1本の細いベルトや両開きベルト、ベルト自体が付いていないタイプの靴は固定力が低いため、おすすめしません。
太めのマジックテープで、足の甲をしっかり締められるもの、または2本のマジックテープの靴を選びましょう。

サイズ

靴のサイズが小さすぎても大きすぎても、骨の変形(外反母趾、内反小趾、ハンマートゥ)や、扁平足になってしまうリスクがあります。

実際の足のサイズに、成長と運動のための「適切なゆとり」を加えることが大切です。
実寸(かかとから一番長い指の先までの長さ)に対して「+0.5〜1.0cm」のサイズ(捨て寸の確保)を選びましょう。

サイズを選ぶ際は長さだけでなく『横幅』にも注意が必要です。子どもの足はまだアーチがなく平べったい状態のため、横幅が広くなりやすいです。
長さは合っているのに横幅が窮屈になっているケースをよく見かけますので、横幅にもゆとりがあるか、必ず確認するようにしましょう。

選び方チェックリスト

重要なポイントをまとめました。

チェック項目確認方法
かかとが硬いか指で押して潰れないか確認
指の付け根で曲がるか靴底を手で曲げて確認
マジックテープ式かベロが大きく開くか確認
サイズの余裕は0.5〜1cmか実際に足を入れてつま先を確認
お下がりではないか靴底の減り方・変形を確認
柔らかすぎないか全体的に適度な硬さがあるか確認

「このリストを持って一度売り場へ行き、お子さんに合う『サイズ感』だけ確認しておくのが失敗しないコツです。」

サイズさえ分かれば、あとは在庫やカラーが豊富なネットショップでゆっくりお気に入りの一足を選べます。

ファーストシューズ3選|目的別の選び方

目的別の選び方まとめ

特徴おすすめ
足元がふにゃっとしていて、よく転ぶ子アシックス スクスク
体がガチッとしていて、つま先立ちになりやすい子NB 313
上記以外の子IFME コアラモチーフファーストシューズ

※体がガチッとしていても、靴を履く時に足が突っ張る(奥まで履かせにくい)ときはアシックス スクスクの方が良い場合もあります。

1. アシックス(asics) スクスク

ハイカット設計であるため、足首をしっかり包み込む形状で、歩き始めのぐらつきを抑えてくれます。また履き口が開きやすく、履かせやすい長所もあります。

  • 低緊張の子に最適
    かかとが内側に倒れ込みやすい(外反扁平足傾向)低緊張の子に対し、外側からかかとをしっかり支えてくれるので、おすすめです。

2. ニューバランス(New Balance) 313

元々矯正靴メーカーから始まったブランドだけあって、サポート能力が高いです。

  • 過緊張の子に最適
    過緊張だと、足裏の感覚が過敏であったり、接地感に不安を感じやすいお子さんが多いです。313の広いソールは「どこに体重を乗せても安定する」という感覚で、リラックスして歩くことができます。またつま先立ちになりやすい特徴もありますが、踵と足首まわりをしっかりと支える構造がつま先立ちを防いでくれます。

3. IFME コアラモチーフファーストシューズ

臨床の現場でもよく使われていました。

  • 平均的な発達のお子様に最適
    太めのマジックテープ1本でしっかりと足の甲を固定でき、ズレにくいです。また履き口が大きく開くため、まだ足首が硬い赤ちゃんでも履かせやすいです。さらに横幅が広めの設計で、日本人の赤ちゃんの足にフィットしやすいのも嬉しいポイントです。

正しい靴の履かせ方

どんなに良い靴でも、履かせ方が間違っていれば効果は半減してしまいます。

  1. つま先を伸ばす
    子ども(特に小さい時期)は靴を履かせたときに、つま先をギュッと丸めやすいです。靴に足を入れるときにちゃんとつま先を伸ばしながら入れてあげてください。
  2. かかとを合わせる
    足を靴に入れたら、靴のかかと部分に赤ちゃんの「かかと」をピッタリ合わせます。
  3. ベルトを強く締める
    かかとを合わせた状態で、マジックテープを「少しきついかな?」と思うくらいしっかり締めます。

履いた後に「かかとが固定されており、つま先は適度に動かせる」状態が、理想のフィッティングです。

まとめ

ファーストシューズ選びで最も重要なのは、かかとの硬さです。まずはかかと部分を指で押してチェックする習慣をつけてみてください。

お子さんの足の特徴に合わせて靴を選び、正しく履かせてあげることが、将来の足の健康につながります。

「どの靴が合うか分からない」「うちの子の足に合った靴を選んでほしい」という方は、お気軽にご相談ください。

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プロフィール

理学療法士。小児発達領域に10年以上従事。
乳幼児期を中心に、同じお子さんに週に数回ペースで継続的に関わりながらリハビリに携わっていた経験もあります。日常の動きや経過をじっくり追えたことで、停滞しやすいポイントや発達のプロセスを肌感覚で把握できたことが、私の強みになっています。
本サイトでは、その臨床経験をもとに、専門家でない保護者の方でも自宅で実践できる具体的なアプローチをお伝えすることを最優先にしています。

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