「生後3ヶ月ってどんな時期なの?」
「今の時期に合ったおもちゃって何を選べばいいの?」
「どんな関わり方をしてあげればいいかわからない」
そんな疑問を抱えていませんか?
生後3〜4ヶ月は、ただ寝ているだけだった赤ちゃんが、周りの世界に興味を持ち始める時期です。運動だけでなく、手・指の動き、視覚・認知、コミュニケーションと、複数の発達が同時に進みます。
この記事では、理学療法士として発達障害の領域に10年以上携わった経験をもとに、3〜4ヶ月の発達全体の見方と、日常でできる関わり方・おもちゃ選びのポイントを紹介したいと思います。
3〜4ヶ月の発達全体マップ
この時期の赤ちゃんの特徴を一覧で整理します。それぞれの詳細は後のセクションで紹介します。
| 発達の分野 | この時期に見られる主な特徴 |
|---|---|
| 運動発達 | 首がすわる・うつ伏せで顔を持ち上げる |
| 手・指の発達 | 手を開ける・おもちゃに向かって手を伸ばし始める |
| 認知・感覚の発達 | 動くものを目で追う・自分の体を認識し始める |
| 言語・コミュニケーションの発達 | 「あー」、「うー」などの発声・あやすと声を出して笑う |
運動発達
この時期の運動発達の中心は「首がすわること」と「うつ伏せで上体を支えること」の2つとなっています。
首がすわり、視界が広がる
グラグラしていた頭が安定することで、赤ちゃんは自分の力で周囲を見渡せるようになります。抱っこのときも頭をしっかり保つことができ、周りの様子をゆっくり眺める余裕が生まれます。
首がすわる前後で赤ちゃんの表情が明らかに豊かになることが多いのは、そのような余裕が生まれてきた結果だと思います。
首すわりの仕組みや遅れが気になる場合の対処法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

腕で床を押す、全身の力が目覚める
両ひじで床を押して頭や胸を持ち上げられるようになります。背筋・腹筋・肩周りが一緒に鍛えられるこの姿勢は、後の「寝返り・お座り・ハイハイすべての始まり」となります。そのため、この姿勢を日常の中でたくさん取り入れてあげましょう。

おすすめのおもちゃ:プレイジム
うつ伏せでの首すわり練習や、おもちゃへ手を伸ばす運動を遊びの中で行うことができます。また蹴ると音が鳴る仕組みが、赤ちゃんの「自分で動かせた!」という発見を促します。このおもちゃは様々な使い方ができるので、成長に合わせて、長期間使用できる利点もあります。
手・指の発達
グーに握りしめていた手が開き始め、目の前のものに向かって手を伸ばし、口で確かめるという動作が少しずつ現れてきます。
グーからパーへ、意思が宿る
新生児期は手をグーに握りしめていることがほとんどですが、この時期から手をパーに開く動作が見られるようになります。これは脳から手への指令が育ち始めた証拠で、初めて物を「掴む」動作への準備が整ってきたのです(さらに離す・操作するへ)。

おもちゃに向かって、手が動き出す
目の前にあるおもちゃに向かって手を伸ばそうとする動作が現れ始めます。正確に掴めるようになるのはまだ先の話ですが、これは「見たものに向かって手を動かす」という目と手の連携が育ち始めている証拠なのです。リハビリ場面では、「この動作の出現時期や左右差を運動発達の指標」として見たりします。

口への探索
手を口に持っていく動作が増えてきます。これは単なる癖ではなく、口の感覚を使って「これは何だろう」と探索している行動になります。手と口の協調が育つことで、後の「食事動作や手先の細かい動き」に繋がります。

おすすめのおもちゃ:布絵本
赤ちゃんが大好きなアンパンマンの顔が、視覚を刺激します。布製で舐めても安心なので、手を伸ばす・掴む・口で確かめるといった動きを思う存分行うことができ、手と感覚の発達を促せます。
認知・感覚の発達
ものを見る力と、自分の体を感じる力が育ってきます。
追視:動くものを目で追う
顔の前でゆっくり動かしたものを、左右・上下に目で追えるようになります。これは目で見たものを、頭の中で少しずつ理解し始めている証拠です。
追視が「スムーズにできるか・左右差がないか」は、リハビリの場面でも運動発達の指標として確認しているポイントです。自分の子にも、意識して観察してみてください。

体の真ん中を意識し始める:正中位志向
赤ちゃんは少しずつ、体の真ん中(正中線)を意識した動きが増えてきます。仰向けで両手を体の中心に持ってきたり、顔を正面に向けて「対称的な姿勢」をとれるようになります。
自分の体を感じ始める:ボディイメージの獲得
自分の手で自分の体を触る・自分の手をじっと見つめるといった行動を通じて、「これは自分の体だ」という感覚が少しずつ育ち始めます。
自分の体の輪郭を感じる経験の積み重ねが、後の「意図的に手を動かす」「バランスをとる」といった動作に繋がるため、とても大事になっています。

おすすめのおもちゃ:ベッドメリー
頭の上でくるくる回るキャラクターを目で追うことで、追視の発達を促しましょう。これは回転速度を調節できるので、発達に合わせて赤ちゃんのペースで視覚を刺激できるのも魅力です。また豊富なメロディがあることで赤ちゃんの好みの曲を探せます。
※床置きとベッド装着の両方に対応しているので、生活スタイルに合わせて長く使えます。
言語・コミュニケーションの発達
この時期から、赤ちゃんは「物」だけでなく「人」に対して積極的に働きかけるようになります。言語・コミュニケーションは、運動と並行して進む重要な発達です。
言葉の始まり
「あー」「うー」といった柔らかい母音の声(クーイング)が出始めます。これは言語発達の最初のステップになっており、後の「喃語・言葉の発達」につながります。声を出すと親が反応してくれるという経験の積み重ねがとても大切です。たくさん反応してあげましょう。

笑いかけてくるのには理由がある
徐々に人の顔を見てにっこり笑いかけるようになります。これは単なる愛らしい行動ではなく、「人との関わりが楽しい」という気持ちが芽生え始めているのです。
この笑いかける反応は、健診でも必ず確認される発達の重要なポイントです。「いつ頃から笑いかけるようになったか」を意識して観察しておくと、発達の記録としても役立ちます。

この時期の赤ちゃんへの関わり方
特別な道具がなくても、日常の関わり方を少し意識するだけで発達を効果的にサポートしてあげることができます。理学療法士として、この時期に重要な関わり方(アドバイス)を3つ紹介します。
体に触れて、自分の体を感じさせる
仰向けの状態で赤ちゃんの手と手を持って、体の真ん中で合わせてあげたり、足と足を持って足の裏を擦り合わせたりしてみましょう。

さらに両手・両足を一緒に体の真ん中で合わせ、そのまま体を左右に倒してあげましょう。そうすることで体のバランス感覚や認識、寝返りのための捻り運動などを一気に育てることができます(理学療法士として、とてもおすすめです)。
横向きでおもちゃに手を伸ばす練習
赤ちゃんを横向きに寝かせた状態で、「手がギリギリ届く範囲」におもちゃを置いてあげましょう。この姿勢は重力の影響が少ないため、仰向けよりも手を伸ばしやすいので、手を伸ばす練習に最適です。
※うまくできないときは、赤ちゃんの上になっている方の手(下のイラストで言うと左手)を持って、おもちゃに触れる動作を補助してあげてください。

この姿勢設定のポイント
- 頭にちょうど良い高さの枕(バスタオルなどを使えば高さが調整しやすい)を入れる。
- 後ろに倒れて、仰向けに戻ってしまわないように背中にクッションを置く、または親御さんが自分の体を使って後ろに倒れないように支える。
向き癖が気になるときの対処法
健常な子でも顔の向き癖はよくあることです。しかし向き癖を放置すると、後の姿勢や運動の偏りにつながることがあるため、早めに対処しておきましょう。
- 赤ちゃんに向き癖がある場合、苦手な側におもちゃを置いたり、声をかける位置を変えたりして、左右均等に刺激が入る環境を作ってあげましょう。
- 横向きに寝かせることも有効です。「顔が右ばかり向く場合は左横向き」、「顔が左ばかり向く場合は右横向き」を積極的に取り入れてあげましょう。
※横向きの左右は赤ちゃん目線です。上の横向きイラストは右横向きです。
向き癖がなかなか改善しない、体の状態(硬すぎる・柔すぎる・左右差など)で気になる場合は、お気軽にご相談ください。
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まとめ
生後3〜4ヶ月は、運動・手指・認知・言語・社会性のすべてが同時に動き出す時期です。各分野のポイントを整理します。
- 運動発達
首すわりは全身の運動発達のスタートスイッチ。うつ伏せ時間を毎日少しずつ確保することが次の発達への近道です。向き癖が気になる場合は早めに対処しておくと安心です。 - 手・指の発達
手を開く・伸ばす・口で確かめるという3つの動作が、後の手先の動きの土台になります。 - 認知・感覚の発達
追視・正中位志向・ボディイメージの3つが同時に育つ時期です。左右差がないか・スムーズに動けているかを日常の中で意識して観察してみてください。 - 言語・コミュニケーションの発達
「あー」「うー」という声と笑いかける反応が、言葉とコミュニケーションの原点です。声のキャッチボールを日常的に楽しんでください。
焦る必要はありません。この時期の発達の土台がしっかり育つと、次の「寝返り・お座り期(5〜8ヶ月)」での動きがよりスムーズになります。
また、首すわりの遅れやうつ伏せを嫌がる原因について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
→[首すわりの発達と促し方]
発達全体の流れを把握したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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