理学療法士が紹介│おすわりを効果的に促す方法

赤ちゃんが『おすわりをするのはいつ頃なのか』、また『どうすれば促せるのか』、気になる方も多いのではないでしょうか。

おすわりは、ただ座れるようになるための通過点ではありません。両手が自由になることで手先の発達が促され、その後のハイハイや立位へのつながりなど、赤ちゃんの発達に深く関わってきます。

この記事では、理学療法士として発達障害の領域に10年以上携わった経験をもとに、おすわりの仕組みや完成するまでの段階、そして日常でできる関わり方をわかりやすく紹介していきます。

目次

おすわりとは?

『おすわり』を獲得するとは自分の手や物で体を支えなくても、安定して座り続けられる状態のことを言います。一般的に8ヶ月前後で獲得できるようになることが多いです。

おすわり獲得に必要な2つの要素

おすわりの獲得には、『筋力』『バランス能力』という2つの要素が必要です。どちらか一方が欠けても、安定した座位を保つことはできません。

筋力

体幹が安定するためには腹筋と背筋の発達が必要です。また、背中が丸まらないために骨盤まわりの筋肉(太ももの付け根やお尻の筋肉)の発達も大切です。

バランス能力

座っている姿勢では思っている以上に前後左右から『目に見えない重力』に引っ張られ、常にグラグラと揺れています。このとき姿勢が崩れないようなバランス能力が必要となります。

バランス能力の例
体が傾いたときに瞬時に体に力を入れてブレーキをかける反応や、さらに大きく傾いたときにパッと手を床について体を支える反応などがあります。これらがおすわりに必要なバランス能力です。
手をパッと床につく能力は前方(6~7ヶ月頃)→側方(7~8ヶ月頃)→後方(9~10ヶ月頃)の順に獲得していきます。


おすわりが完成するまで

おすわりはいきなり獲得できるものではなく、段階的にプロセスを経てできるようになっていきます。ここでは各段階の特徴を紹介していきます。

4~5ヶ月頃

第1段階として、『支えられたおすわり』ができるようになります。大人が赤ちゃんの脇や腰を両手でしっかりと支えてあげることで、座る姿勢をとることができます。ただし自分で座る姿勢をキープする筋力はまだないため、手を離してしまうと前に頭から倒れたり、後ろにひっくり返って倒れてしまいます。

5~6ヶ月頃

第2段階として、『自分の手で支えるおすわり』ができるようになります。自分の両手を床の前について体を支えることで座っている姿勢をキープすることができます。ただし前方向へのバランスはとれますが、左右や後ろ方向へのバランスは未熟なため、それらの方向に傾くとすぐにバランスを崩して倒れてしまいます。

7~8ヶ月頃

第3段階として、『支えがいらないおすわり』ができるようになります。これがおすわりの完成です。床に手をつかなくても上体を起こした状態を保てるようになります。横に体をねじってもバランスを崩さず、そのまま座り続けることもできます。両手が自由になるため、座りながらおもちゃを持って遊ぶ余裕も生まれてきます。


おすすめの関わり方

おすわりの各段階に合わせた関わり方を紹介します。月齢ごとのポイントを押さえながら、日常の遊びの中に取り入れてみてください

4~5ヶ月頃

この時期はまだおすわりに必要な体幹の筋肉などが成長していないので『うつ伏せ』の中で育てていきましょう。

うつ伏せの状態で目の前でおもちゃを鳴らし、赤ちゃんが首を高く持ち上げたり左右をキョロキョロ見たりするように促します。一見おすわりとは無関係に思えますが、うつ伏せで首や背中、お尻の筋肉をしっかりと使うことが、おすわりに必要な筋肉の発達につながるのです。

5~6ヶ月頃

手をついて座った姿勢の赤ちゃんの胸の高さくらいにおもちゃを置いてみましょう。これによって自然と赤ちゃんの顔が上がり、背中の筋肉の発達につながります。このとき大人が赤ちゃんの体を後ろから軽く支えるようにしてあげると、顔を上げやすく、また体を起こしやすくなります。

7~8ヶ月頃

少しずつ床から手を離せるようになってきたら、バランス能力をさらに育てる関わりがおすすめです。おもちゃを正面だけではなく、『斜め前』や『横(左右それぞれ)』に置いてみましょう。これによって体を傾けたり、ひねったりすることでバランス能力が発達します。

このような関わり方をするときに活躍するのが以下のようなテーブルトイと言われるおもちゃです。


日常の注意点

月齢ごとに気をつけてほしいポイントをまとめました。関わり方と合わせて確認しておいてください。

4~5ヶ月頃

背中が全体的に丸くなっているのが自然な状態なので、無理に背すじをピンと伸ばさせようとして脇を強く持ち上げたり、長時間の座る姿勢をとらせると、骨格に負担がかかるため避けてください。特にバンボの長時間の使用は体幹の発達を妨げる可能性があるため注意です。

5~6ヶ月頃

バランスが崩れて倒れてしまったときに、床に頭をぶつけてしまう危険性があります。そのため練習をするときは赤ちゃんの周囲(特に側方や後方)に十分なクッションを配置するなど安全対策が必要です。また倒れたときにクッションに顔が埋もれてしまわないように、常に大人がそばで見守ってあげてください。

7~8ヶ月頃

手を離しておすわりができるようになってきても、後ろに倒れたときに手をついてとっさに体を支える反応がまだ未熟な場合があります。そのため勢いよく後ろに倒れて、床に頭をぶつけてしまわないように大人の見守りやクッションなどの安全対策を行いましょう。


要注意の目安

おすわりの発達で気になるサインが見られた場合の目安をまとめました。あくまで参考として、気になることがあれば相談してください。

獲得の遅れ

赤ちゃんの発達は個人差があるため、必ずしも異常とは限りませんが、9~10ヶ月頃になると9割以上の赤ちゃんがおすわりを獲得できるとされています。そのためその時期を過ぎてもなかなかおすわりを獲得しない場合には注意が必要です。

異常姿勢

おすわりしたときに

  • 脚がピンと突っ張って、膝が曲がりにくい
  • 体がぐにゃぐにゃしていて安定感がない
  • 常に左右のどちらかに傾いている
  • 長時間・習慣的にW字座りしか取れない

このような座り方を続けている場合は注意が必要です。

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まとめ

今回は、おすわりの仕組みや完成するまでの段階、日常での関わり方について紹介しました。

おすわりは生後7〜8ヶ月頃に完成する、赤ちゃんの発達の大きな節目です。毎日の関わりの中で、うつ伏せ練習やおもちゃを使った遊びを無理なく取り入れながら、赤ちゃんの成長をサポートしていきましょう。

おすわり期の発達全体を知りたい方はこちら
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