「うちの子、なんか動きがぎこちない気がする…」
「発達が遅いって言われたけど、何をすればいいの?」
「月齢通りに発達しているか、自分では判断できない」
赤ちゃんの成長は一人ひとり違います。月齢の目安に一喜一憂するよりも、『今、どの段階にいて、次はどの動きが必要なのか』という発達の順番を知ることが、その子にとって一番大切なことです。
これは成長の遅れや特性があるお子さんも同様です。診断名に捉われず、その子の『現在地』に合わせた対応を重ねることが、身体づくりの本質になります。
理学療法士は姿勢や動作を細かく分析する運動発達の専門家です。私はその理学療法士として小児発達領域のリハビリに10年以上携わり、多くの子どもの『動き』と『成長』を見てきました。
『うごきの芽』は、理学療法士としての知見を活かし、お子さんの『今』と『次の一歩』に寄り添う、発達のサポートサイトです。様々な遊びや関わりを通して、お子さんの育ちを支えられる。そんな場所を目指して、価値のある情報をお届けしていきたいと思います。
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乳児期の運動発達の目安
発達の目安をコンパクトにまとめました。詳細についてはそれぞれの記事で紹介しています。
月齢別チェックリスト
ご自宅で簡単に確認できる運動発達のチェックリストです。
| 月齢 | ◎ できている | △ 途中段階 |
| 3〜4ヶ月 | 首がしっかりすわっている | 引き起こすと頭が少し遅れてついてくる |
| 5〜6ヶ月 | 左右両方に寝返りができる | 片方にしか寝返りできない |
| 7ヶ月 | 手で支えずにお座りができる | 両手をついて数秒間座れるが、すぐに倒れてしまう |
| 8ヶ月 | ハイハイができる | ハイハイの姿勢は取れるが前に進めない |
| 9ヶ月 | つかまり立ちができる | 何かにつかまって膝立ちができる |
| 10~11ヶ月 | つたい歩きができる | つかまり立ちで1〜2歩だけ横に足を出す |
| 12〜15ヶ月 | 一人で歩ける | 何かにつかまらずに立つことができる |
※「うちの子、この月齢の項目がまだできていない…」と不安に感じたら、メールにて相談を受け付けていますので、お気軽にご相談下さい。
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幼児期の運動発達
「一人で歩けるようになった!」というのは大きな喜びですが、歩行の獲得はゴールではありません。1歳を過ぎて幼児期に入ると、走る・跳ぶ・登るといった、より複雑な動きを獲得していきます。
【13〜18ヶ月】「歩行の安定」と「重心操作」

歩くこと自体の安定性を高め、『しゃがんで再び立つ』など重心を自由にコントロールできるようになります。
【19〜24ヶ月】「速度」と「方向」のコントロール

動きが速くなり、止まったり曲がったりができるようになります。また『ボールを蹴る・階段を昇る』などのより難しい動作もできるようになります。
【25〜36ヶ月】「跳躍」と「片足バランス」

両足ジャンプや片足立ちが出現し、三輪車・遊具を通じて『手足と体幹を連動させる能力』が大きく発達していきます。
乳児期にしっかりと動きを積み重ねた子は、幼児期に走る・跳ぶ・登るといった動作をスムーズに身につけやすくなります。
運動発達に順番がある理由
首すわり〜歩行までの順番と発達上の意味
赤ちゃんの基本的な運動発達は、『首すわり→寝返り→お座り→ハイハイ→歩行』とつながっています。なぜこの順番になるのか、それぞれに意味があり、このような順番となっているのです。

1.首すわり → 寝返り
赤ちゃんの頭の重さは体重の約4分の1です。そのため首がすわって、『その重さを自分でコントロールできるようになってから』、体をゴロンと回転させる寝返りの運動ができるのです。
2. 寝返り → お座り
寝返りで体を捻る動きが首・背中・お腹の筋肉を鍛え、『重力に負けない体を作る』ことによって、お座りができるようになります。
3. お座り → ハイハイ
お座りの姿勢で『体幹の安定を学ぶ』ことが、四つ這い姿勢の体幹の安定につながっていきます。またお座りで前後左右に倒れそうになったときに手をついて体を支えるという経験が、四つ這い姿勢に移行するきっかけとなります。
4. ハイハイ → 歩行
ハイハイで左右の手足を交互に動かし、『足腰の筋力や全身のバランス感覚を鍛える』ことで、2本の足でしっかりと立ち上がって歩く準備が整えられます。
各動作の詳細についてはそれぞれの記事で詳しく紹介しています。
前の段階を飛ばすリスク
「早く歩いてほしい」と願う親御さんの気持ちはよく分かります。しかし、発達の順番を飛ばしてしまうことには注意が必要です。以下によく見られるケースを3つ紹介します。
親が良かれと思ってサポートしてしまう
例)自力でのお座りが不十分な時期に、バンボやクッションで無理矢理体を支えて、長時間お座り姿勢を作ってしまう、長時間の歩行器(ベビーウォーカー)の使用など。
発達段階に無理に合わせようとする
例)「もう10ヶ月だからつかまり立ちをさせなきゃ」と、床での運動(ハイハイ等)が不十分なまま無理矢理支えてつかまり立ちをさせようとするなど。
子どもが自ら飛ばしてしまう
例)過緊張の子だとハイハイをする前に、突っ張りの力でいきなり高這いやつかまり立ちをしてしまうなど。
【なぜ飛ばしてはいけないのか?】
運動発達の順番を飛ばしてはいけない理由は、前の段階で育つはずだった『筋力』や『バランス感覚』が未熟なまま次の段階に進むことで、『将来の姿勢の崩れ』や『運動の苦手さ』として体に表れてしまいやすいからです。
例)ハイハイをほとんどしないで歩行に進むと、体幹や股関節の使い方が未熟なままになり、将来的に『何もないところでよく転ぶ』ことが起きやすかったり、手首の力が弱く『手先の細かい動作が苦手(不器用)な子』になりやすかったりします。
※発達の順番を飛ばしても、将来的に問題なく育つ子もいます。これはあくまでも傾向であり、当てはまるからといって必ずしも問題があるというわけではありません。
運動発達の悩み
発達が気になるとき、『歩くのが遅い』など時期の遅れに注目しがちです。しかし『いつできるか(量)』だけではなく『どう動いているか(質)』も大切です。
発達の時期が遅い(量の遅れ)
獲得月齢が目安より1〜2ヶ月遅れていても、発達の『順番』を飛ばさずに進んでいるなら、それはお子さんのペース(のんびり派)である可能性が高いです。『いつできるか』より『順番を守れているか』を重視しましょう。ただし、3〜4ヶ月以上の遅れがある場合は、専門家への相談を検討する目安です。
動き方がなんとなくおかしい(質の違和感)
月齢以上に確認してほしいことは、以下のチェックポイントです。
| 左右差 | 片方ばかり使う、片足を引きずるなど「偏り」がないか |
| 緊張の質 | 体がガチガチ、あるいはグニャグニャで「支えにくい」 |
| パターンの固定 | いつも同じ動きしかしない |
| 移動の方法 | シャフリング(お座りのまま移動する)など、特殊な移動パターンがないか |
これらが組み合わさると、姿勢の切り替えがぎこちなくなったり、同じ姿勢のまま長時間動かなかったりすることがあります。
家族にできるサポート

脳が急成長している乳幼児期は、家族のサポートが発達に直接影響する時期です。今の発達段階に合った遊びやおもちゃを日々の関わりの中に取り入れることが、お子さんの発達を後押ししてくれます。
気になることがある場合は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
赤ちゃんの運動発達には順番があり、一つひとつの動作が次の動作の準備になっています。月齢の目安より少し遅くても、順番を守りながら発達しているかどうかが大切なポイントです。
気になることがあれば「いつできるか(量)」だけでなく「どう動いているか(質)」の2つの視点で観察してみてください。今の発達段階に合った遊びや関わりを日々の中に取り入れることが、お子さんへの大切なサポートになります。

